過去日記 2021年 ポケモンもハム太郎も「親子で楽しむ時代」になったようです。 ずっと、1人で楽しんでいます。 |
2021/1/9(土) #1114 どこ吹く風です LONELY HEART |
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生活に季節感が喪失している。 クリスマスは平日だったので、仕事以外何もしなかった。 大晦日は洗濯をして、適当にコンビニ弁当を食べて、紅白をぼんやり見て、ツイッターをしながら年を越した。 元旦はテレビを見たり昼寝したりして過ごした。三が日はゲーセンへ行ったり、ネットをしたり無為に過ごした。食事はうどんやラーメンなど適当だった。いつの間にか休暇は終わり、仕事が始まった。 ケーキもツリーもないクリスマス。団らんもカウントダウンもおせちも雑煮も無い年末年始。全くこの時期らしいことをしなかった。365分の1の連続で、季節感ゼロである。 なぜこんなに季節感を喪失しているのか。 面倒だとか逃避とか鬱だとか、そういうわけでは無い。ただ積極的に「何もしない」選択肢を選んだのだ。季節に対する義務感も焦燥感も皆無だ。 理由は分かっている。おそらく加齢の影響だろう。歳を取ると変化を嫌うようになると聞いたことがある。心身の負担を無意識に低減するのだという。 しかし、このままではいけない。豊かな人生を取り戻すため、ここで季節感のある挨拶をしておきたいと思う。 あけおめ〜! |
2021/1/17(日) #1115 失われた日記の続きを |
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PCとスマホの両方に対応できるよう、サイトデザインを変えてみた。 このような仕組みを「レスポンシブWebデザイン」と呼ぶらしい。世間に遅れること十数年、ようやく当サイトでも導入したが、例によってあまり理解できておらず、おそるおそる適用している。不具合があればツイッターあたりで教えて頂きたい。そうすれば「なるほど、やはりか」と言って腕組みして頷くなどの対応を取りたいと思う。 レスポンシブWebデザインは、一般的なWEBサービス、そのへんのブログなどを使っていれば何も悩まなくて済むはずだ。 ただしうちのようにWebサイトを自前で構えている場合は、手動でソースコードを記述する必要がある。正直かなり面倒だったが、今さらブログに引越しする気にもなれないし、さらにスマホ対応でないサイトはGoogle先生に嫌われるらしいので、渋々導入するに至った。 * * * * * 少し話がそれるが、Webサイトとブログの違いについて書きたいと思う。 このテーマはずいぶん前から触れたかったが、何となく機会が無いままだった。いい機会なので新年早々インターネット老人会を開き、昔話をしたいと思う。 時々・・・と言っても、もう久しく言われていないが、当サイトのユーザの方から「ブログいつも見てます!」といった応援を頂くことがあった。 メッセージを頂けることは大変ありがたいが、一方で(ブログじゃないんだけどなぁ)と少しモヤッとした気持ちになっていた。 当サイトのトップで公開しているこの文章のことを、私は今も「日記」と呼ぶ。これは今でこそ死語に違いかもしれないが、以前に個人サイトが隆盛だった頃、日々浮かぶとりとめもない文章で作るコンテンツは、「日記」「雑記」「Dialy」などと呼ばれ共通語だった。2000年前後のお話だ。 この頃は、日記はWebサイトに直に記述していた。早い話が「手作り」である。 2000年代の中頃からブログがブームになって、かつての日記系コンテンツも含めて、個人サイトは遍くブログにとって代わられた。ブログは色々と面倒な個人サイトとは違って外部サービスで、カスタマイズ、コメント、RSSなど、デザイン性や機能性に優れていた。瞬く間に、かつ必然と、大ブログ時代の幕開けであった。ブログは2005年に流行語大賞にもノミネートされたほどだ。 ほぼ同じ頃、広大なWebの片隅で「ねずみ人生」という個人サイトが産声を上げた。このサイトは、ポケモンとハム太郎のファンサイトという隠れ蓑を纏いながら、管理人の狂気に満ちた哲学や恥ずかしい日常を工業排水のように垂れ流す、生まれてきてはいけないサイトだった。 面倒なので自分視点に話を戻すが、世間でブログが流行する一方で、私はHTMLで直打ちという日記のスタイルを選んだ。 ブログはやがてブームからスタンダードになり、定義も変わりつつあった。サービス名であったはずが、いつしかコンテンツ名そのものを指す言葉に変遷した。かつての「日記を更新した」は「ブログを更新した」と同義になり、日記や雑記、Dialyという表現は衰退していった。 そのような事情もあり当サイトも、 「ブログいつも楽しみに見てます!」 「ねずみさんのブログ面白いです!」 「くせーブログだなオイ」 「早くブログ更新しないと呪う」 といった応援メッセージを頂くことがよくあった。一部応援じゃない奴もいた気がするけど。 こういう時、「日記」という選択肢を選んだ私としては、少しだけモヤッとするのだ。 別にブログが嫌いなわけではない。実際2006年にポケモンのダイパが発売された時は、日記とは別にブログを作って1年ぐらい更新していた。便利さはよく知っている。 ただ、私は「手作りの温かさ」みたいなものが昔から好きなのだ。 お母さんのお弁当のような、小学生が作る夏休みの工作のような、オリジナルソングを歌うストリートミュージシャンのような、出来合いでも借り物でもない、触れて温度感のあるコンテンツを作りたい思いがある。 そのためには、「日記」でなくてはダメなのだ。見た目が華やかでなくても、むしろぼろくても良い。この形が私にはずっとベストなのである。 もちろんブログでもカスタマイズ次第でどのようなデザインにもできるし、Wordpressのような自由度の高いツールもある。温度感うんぬんは主観的な問題なのだろうと思う。 総括すると、こちとらもう後には引けねえんだよという感じだろうか。 というわけで本日のインターネット老害・・・老人会はこれにてお開きである。 |
2021/5/25(火) #1116 悲しみがあるから喜びは嬉しく、怒りがあるから優しくなれる |
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当サイトはこの5月で開設17年となる。 もはや何の価値があるのか、生きているのか死んでいるのかも分からないこのホームページであるが、そろそろ“長寿サイト”を名乗っても良いのではないか。特に「とっとこハム太郎」をジャンルにした個人サイトという点においては、そこそこ稀有な長寿サイトなのではないかという自負はある。 さらに言えば、このようなのらりくらりペースならば、あと20年でも30年でもいけそうだ。そうすると、開設50周年も視野に入ってくる。 この世にWebのある限り、私は何度でも蘇ろう。 嫌な魔王である。 * * * * * 話は変わるが、ポケモンダイパがリメイクされる。 「ブリリアントダイヤモンド・シャイニングパール」だという。 2006年、ダイヤモンド版をリアルタイムでプレーし、何度もここでプレー日記を書いていた記憶があるので、思い入れの深い作品だ。素直に嬉しい。 それにしても世はすっかりリメイク時代だ。ベストセラーは装いを変えて、2度3度我々の前に現れる。 思えば当サイトを開設した2004年も、ポケモン赤緑がファイアレッド、リーフグリーンとしてリメイクされたリメイク元年とも言える年だった。 月日を重ねて様々な作品のリメイク版が発表になるたびに、毎回「あれから○年経った」「当時自分は○歳だった」「あの頃は若かった……」などと嫌でも考えてしまう。 リメイク作品の数だけ傷が増え、しかも年々深くなっていくことは非常に悲しいことである。 長寿サイトも楽ではない。 |
2021/6/18(金) #1117 僕たちはあと何回カウンタを回せるだろう |
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当サイトに長らく使用していた忍者カウンターがサービスを終了していた。
前回の日記を更新している時に気が付いた。他の忍者ツール自体はまだサービスを提供しているが、カウンタについては今年の2月末に終了したらしい。(気付くのが遅すぎる点はご容赦頂きたい)
今設置しているカウンタは別のサービスで新しく取得し直したものだ。
今までカウンタの存在が当たり前だったので、サービス終了は突然のことで驚いた。昨今ホームページスペースや掲示板などのサービス終了はよく耳にしていたが、カウンタにもサービス終了があったとは。急な訃報を受け取ったような心境だ。
カウンタを提供しているサービスは忍者ツール以外にも存在する。しかし新しいカウンタを探してみて分かったが、ここ数年、多くのカウンタがサービスを終了している。考えてみれば無理もない。需要の減少は明らかだ。
良い機会なので、今回は「カウンタ」というテーマで思うままに書き綴ってみたい。
ホームページの元祖ステータス カウンタ、アクセスカウンタ。2000年代初頭、個人が運営する「ホームページ」が全盛だった時代から現代に至るまで、多くのサイトに設置された訪問者数を示すツールだ。 長い歴史を持つ由緒正しきツールであり、情報として分かりやすく設置も容易なことから、ホームページの元祖ステータスと言える。この数値が増加することをモチベーションとしていた管理人も多かったことだろう。 「現在 02197 HIT THANKS!!」 「あなたは 000637 匹目のハムちゃんずですv」 「††† これまで 0018345 匹の迷える子羊がこの館を訪れました †††」 昔はこのような小粋な文言を前後に付与しているサイトも多かった。管理人のセンスが試される場でもあった。しかしいずれ恥ずかしくなり文言が消えて、無機質なカウンタだけになる……というところまでがテンプレートだ。その姿はまさに迷える子羊だった。 キリ番が繋ぐ絆 カウンタを語る上で「キリ番」を外すことはできないだろう。訪問者が訪れた際にカウンタが1000、22222、50000などキリのいい数字だった場合、それを報告して盛り上がるといった趣旨である。 管理人と訪問者を繋ぐ手軽な手段として、多くのホームページに採用されていた文化だ。 「記念のXXXXヒットは……管理人の自爆でした(藁)」という自虐ネタは当時の鉄板であった。 訪問者から報告があれば「キリ番ゲッター」としてハンドルネームが記録されるサイトもあった。自分の名前が記録されると常連感が出て、何となく嬉しかったものである。 しかし今考えると、キリ番ゲッターという命名は絶妙にダサい。 語感がムダ毛カッターと同レベルだ。 其の者、踏み逃げの大罪により 逆にキリ番を踏んだのに報告しない、いわゆる「踏み逃げ」をする者も多かった。 それも無理からぬ話であり、わざわざBBS(掲示板)で報告する手間が煩わしかったり、そもそも大して親交が無いホームページに何かの拍子で迷い込み、意図せずキリ番を踏んでしまうこともあっただろう。 しかしキリ番によるコミュニケーションを強く推進している個人サイトでは、踏み逃げがあると管理人が血眼でアクセス解析から犯人探しするサイトも一部にあったと聞く。完全にネット版のなまはげである。 それぐらい当時の踏み逃げは大罪であり、「踏み逃げ禁止」などと報告が義務付けられているサイトもあったほどだ。なんとも過激な時代であった。 ホームページに関わった者たちのカウンタにまつわる逸話は枚挙に暇がない。 カウンタに対して紳士たれ 私が活動の中心としていたとっとこハム太郎ジャンルのイラストサイトでは、キリ番を取得すると副賞として管理人さんへ「イラストのリクエスト権」(イラリク)が得られるサイトがあった。 特に人気サイトのイラリク権を巡るキリ番争奪戦では、番号が近くなった際にキーボードのF5を何度も押下(F5連打)することでカウンタを進め、キリ番を取得する者もいた。設定が緩いカウンタではそのような行為が可能だった。 確かにそれは訪問者の権利であり、不正とは言い切れない。逆に、そうまでして我先にとキリ番やイラリクを争ってもらえるのは管理人冥利と言えるのかもしれない。カウンタの数字が進むのも喜ばしいことだろう。 だが、個人的に私はF5連打によるキリ番取得には否定的だった。 別に誰が見ているわけでも無いが、カウンタをいたずらに回す行為は、その個人サイトと管理人さんに対して紳士に向かい合っているとは言えないのではないかと考えていた。 カウンタは、レストランで言えば入店人数のようなものではないのか? 男に二言が無いように、二打目も無いのではないか? ……などと、しょうもないこだわりを持っていた。 その是非はさておき、明らかなのは、その哲学のせいで私自身がキリ番の寸前で涙を飲んだ経験ばかりだったというだけだ。 お気に入りのサイトでXX9999みたいなカウンタを踏んだ時でも、たった1回F5を押すだけのことだが、半泣きで震える右手を左手が制していた。 結局記憶にある限り、メモリアルなキリ番をゲットしたことは一度もない。 今やレジェンドとなったかつてのハム太郎サイトの神管理人さんからイラストをもらえなかったのは、今思えば非常にもったいない。変なプライド捨てりゃ良かったと考えているのは秘密である。 設置しないという選択 カウンタ全盛期、中には「カウンタをあえて設置しない」サイトもあった。 多くのホームページが当然のようにカウンタを設置している中で、余計なものは不要とばかりにカウンタを設置せずコンテンツオンリーで勝負している管理人さんは、とても職人気質に見えたものだ。 まるでラーメン屋の親父がチャーハンや冷やし中華に手を出すことなく、「俺が客に出せるのは、魂込めたこの一杯だけよ……」と、ラーメン一本で勝負しているような男気を感じたものだ。(筆者の主観です) あの時代にカウンタを設置しないことは相当アバンギャルドであり、私にはとても無理だった。ホームページ初心者の私は、カウンタの魔力に取りつかれていて、日々増える数字を見て、メガネをクイッと上げつつニヤリとほほ笑むことがやめられなかった。 かつてのカウンタ非設置派の職人さんたちに、当時のウェブサイト群はどのように映っていたのだろうか。その心中は今なお興味深い。 変則キリ番あれこれ キリ番の話に戻るが、何を持ってキリ番とするかはホームページの管理人の裁量次第だった。 1,000単位が一般的だっただろうか、大手になると5,000や10,000ごとにもなり、中小サイトでは100単位で受け付けているところもあった。 それに加え、777 や 2222 など、数字が揃ったものはゾロ番と呼ばれ、広義のキリ番の一種であった。比較的多くのサイトで採用されていた。 また、12345 や 56789 などはレン番または階段と呼ばれ、いくつかのサイトでキリ番の一種とされていた。確かに、見た目はレアな感じだ。 さらに、12321 や 46864 など、左右対称の番号は鏡に例えてミラ番と呼ばれた。キリ番の中ではマイナーだった。よっぽどカウンタが好きで盛り上がりたいサイトが採用していた。 ごく一部では、4649(よろしく) や 5963(ご苦労さん) など、ゴロ番と呼ばれるものも存在した。ここまで来るとキリ番とは一体何なのか、前提から崩れかけている気がする。異常なまでのキリ番への執着が為せる技だろう。 このように様々なキリ番が存在した結果、一部のサイトではどうしてもキリ番ゲッターとして名前を刻みたい訪問者が、報告用BBSにて 「カウンタで 4774 取りました。 ミラ番でキリ番になりますか!?」 などと鼻息荒く質問をして、 「えーと、4774はキリ番にはならないですね。ごめんなさい(^^;」 とあしらわれる実に微笑ましいやり取りも見られた。 人気サイトのキリ番運用も大変であっただろう。 以上である。忍者カウンタのサービス終了は残念だったが、色々な思い出を振り返ることができた。 当サイトは古き良き文化であるカウンタとキリ番を今後も応援していきたい。 なお、当サイトは踏み逃げ厳禁であるためキリ番は必ず報告してください。 踏み逃げした人は管理人が地の果てまで追いかけて呪います。(2000年代初頭のホームページ的表現) |
2021/8/9(月) #1118 主役はキミなのさ |
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私ぐらいのベテランハム太郎ファンになると、遅刻しても慌てることなく、むしろおとどけくんなどを描いて8月6日を祝う余裕があるわけですね。 ハム太郎、かぶるくん、ハッピーハムハムバースデー。 |
2021/10/1(金) #1119 少年時代の見果てぬあの夢 |
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これは、私が「ドラクエファン」であることを取り戻す戦いだ。 ドラゴンクエスト。このほど35周年を迎えた、スクウェア・エニックスが送るRPGの元祖であり金字塔的存在である。 ゲームが大好きな私であるが、ポケモンにハマる前はドラクエが大好きだった。Lv99カンストのセーブデータが消えても懲りずにまたカンストさせるほどだった。これまで自分はドラクエファンだと公言して憚らなかった。 しかし最近になってあることに気が付いた。 歴代のシリーズで、ファミコン版の「2」が未クリアなのである。 初期のドラクエは1〜4がファミコン、5と6がスーパーファミコンで発売されている。2はスーファミでリメイクされており、それはクリアしたのだが、元祖のファミコン版は未クリアだと気付いた。 ファミコン版の「2」は歴代のシリーズでも最高難度と言われている。その理由は、 ・難解複雑なダンジョン。 ・ヒントの一切無いイベント攻略。 ・理不尽なまでに強力な敵モンスター。 ・にも関わらず貧弱な仲間と装備。 などの点が挙げられる。つまりゲームバランスに難があることで悪名高いのだ。私も小学生の時にプレイしたのだが、あまりの難易度に途中で挫折していた。 リメイクであるスーファミ版の「2」はゲームバランスが調整されており、ファミコン版とは似て非なる仕上がりだった。ほど良い難易度のもとクリアしていた。 しかし、やはりドラゴンクエストシリーズの原点はファミコン版だ。その点で言うと私は「1」「3」「4」はクリアしたが、「2」だけクリアできていない。 だってバランス悪いし。 初期の作品だからなぁ。 リメイクでもプレイできるから……。 もっともらしい言い分を並べることはたやすい。だが、己に問うてみる。 それは本当のドラクエ好きの姿なのか? 原点から目を背けてはいまいか? 果たして私にドラクエファンを名乗る資格はあるのか? 答えは否。 今こそ、強大な敵に敢然と立ち向かう時だ。 中古ショップで買ってきた。680円だった。 四半世紀以上の時を経て、ファミコン版ドラクエ2をクリアする。 これは、私が「ドラクエファン」であることを取り戻す戦いだ。 少年時代だった当時と条件を同じにするため、攻略サイトなどは一切見ずにプレイすることにする。 前置きが長くなったので、後はダイジェストでお送りしよう。 名前の濁点が1文字扱いなのは気にしてはいけない。これが当時のスタンダードだ。 お前ちゃんとした濁点つくのずるいぞ。 それは べつの ジュモン です。 「首狩り族」って名前怖すぎ。CERO-Cぐらいあってもいい。 いじわるうっの「るうっ」にロマンを感じる。(筆者の主観です) やった! ちっとも嬉しくねえ! 僕も老後はこういう含蓄のあるセリフを言うじじいになりたい。 とにかくすぐ死ぬ仲間たち。 はぐれメタルからレアアイテムゲット。 ぬわーーーー!!! バグったぁ!!! 手書きの洞窟マップ。めんどくさい。 国境の長いトンネルを抜けると……。感動の瞬間。 いよいよ最終局面。 ひでぶ!! リベンジ。 っしゃおらああああーー!! イヤだ! 俺はポケモンマスターになるんだ! 後にまさかスクウェアと統合するとはね。 1つの旅が終わり、少年時代の忘れ物を取り戻した。 長い時を経て私はついに「ドラクエファン」になることができた。 まさに、、、 月満ちて欠け、潮満ちて引く。 全ては定めじゃて……。(これが言いたかった) |
2021/10/8(金) #1120 人生はその人の時間の旅 |
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長らくドラクエの音楽を担当されていた、すぎやまこういち先生が亡くなった。 かなりお歳だとは承知していたので、どうか長く元気でいて欲しいと願っていたものの、あまりに悲しい知らせにショックを受けている。 私自身先日ドラクエ2をプレイし、ドラクエのBGMに触れたばかりだった。「Love Song探して」「遥かなる旅路」「この道わが旅」などの素晴らしいBGMに酔いしれた矢先の訃報だ。どうにも信じられず、受け入れがたい。 私が人生で初めてプレイしたRPGであるドラクエ3では「冒険の旅」「おおぞらをとぶ」「勇者の挑戦」「そして伝説へ」など、興奮に満ちた冒険にいつも勇壮で美しいBGMが共にあった。 DQ4の「街」「馬車のマーチ」、DQ5の「哀愁物語」、DQ6の「木洩れ日の中で」「敢然と立ち向かう」、そしてシリーズ通しての「序曲」。大好きな曲は挙げればキリがない。 また、私が子どもの頃に人生で初めて買ったCDはドラクエ3のオーケストラCDだ。そこが私の「ゲーム音楽」が大好きになった原点だ。 少年時代にゲームやCDを通して聴いた数々の名曲は、大人になった今でも色褪せること無く、記憶と共に残っている。ドラクエと共に少年から大人になった私の世代は、ドラクエの音楽がまさに生き血のように全身を通い続けていると言っていい。 素晴らしいゲーム音楽で我々ゲームファンを魅了してくれた事実もさることながら、かつてゲームという娯楽が下に見られていた時代に、いち早くゲーム音楽の重要性を理解して名曲を世に送り出し、オリンピックの開会式に使用されるまでにゲーム音楽の文化的価値を押し上げた功績は、大変な偉業だ。 本当に惜しい人を亡くしたと言うほかない。 しかし、先生が作られた曲の音1つ1つの中に確かにすぎやまこういち先生は生き続け、これからも私たちを楽しませ、励ましてくれるに違いないとも思う。もう言葉を聞くことはできなくても、音楽を通していつまでも私たちに語り掛け続けてくれることだろう。 今は静かに、先生の安らかな眠りを祈りたいと思う。 |
2021/10/22(金) #1121 ミニハムずの現在について調べてみた | ||||
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ぐっちゃん(矢口真里) | のんのちゃん(辻希美) | あい〜んちゃん(加護亜依) | メリカちゃん(ミカ) | たかはし(高橋愛) |
ミニハムずの中の人って、今どうなっているのか。 未だにこの日記をご覧くださっている奇特な諸氏は「ミニハムず」もきっとご存知のことと思うが、一応説明すると――劇場版とっとこハム太郎シリーズに登場する4匹組(1匹メンバー入替あり)のアイドルハムスターグループだ。そのモチーフとなっているのはハロー!プロジェクト内のユニット「ミニモニ。」であり、声優も本人が担当している。アイドルとアニメのタイアップ企画だ。 ミニハムずもミニモニも知る人には懐かしい名前であろう。むべなるかな、彼女らが活躍していたのは約20年前。ハム太郎が20周年なら、ミニハムずとミニモニもまた20周年である。 旧知のハム太郎ファン同士でハム太郎トークをする際、ミニハムずと言えば名前を出した瞬間に爆発四散するほどの定番懐か死ワードである。 20年の時が経ち、「ミニハムず」の中の人である「ミニモニ」も当時から20の齢を重ねていることになる。時間は誰にも等しく流れるが、アイドルにとっての20年は一般人とはまた違った意味を持つだろう。 ということで、ミニハムずの現在、かつての「ミニモニ」メンバーが現在どうなっているのかを調べてみることにした。 ※情報は全て2021年10月現在のものです。 * * * * * 矢口真里(ぐっちゃん) ・38歳。ミニモニ初代リーダー。現役歌手・タレントとして活動中。 ・2003年、ミニモニ卒業。ミニハムずとしては「たかはし」とメンバー交代。 ・2009年、ハロプロを卒業。 ・2011年、俳優の中村昌也と結婚。 ・2013年、自身の不倫が発覚し離婚。 ・2018年、その不倫相手と結婚(再婚)。現在は2児の母。 覚悟はしていたが、ミニハムずが38歳のバツイチ2児の母という事実だけで軽く眩暈がする。 不倫騒動があったのが約8年前。自宅で愛人との不倫中に旦那が帰ってきて修羅場という、昭和の昼ドラのようなスキャンダルがあったとか。ミニハムずの時に「♪ほんとは恋愛禁止なの〜」と歌っていたはずだが、現実はそんなものか。アイドルも大変である。 辻希美(のんのちゃん) ・34歳。現役歌手・タレントとして活動中。 ・2007年(20歳)、俳優の杉浦太陽と結婚。現在4児の母。 ・2009年、ハロプロを卒業。 ・2016年、理想の有名人夫婦に贈られる「いい夫婦パートナー・オブ・ザ・イヤー」を受賞。 2000年のミニモニ結成時が12歳。現在は4児の母でママタレとしての活動や、子供服ブランドのプロデュースを行うなど多方面に活躍している模様。 また今年の7月には「行列の出来る法律相談所」内で、矢口真里と共に1夜限りのミニモニ復活というパフォーマンスを披露したとのこと。 34歳で「ミニモニ」ってそれなんてプレイ? アイドルの底力に驚かされる。 加護亜依(あい〜んちゃん) ・33歳。現役歌手・タレント・女優として活動中。2児の母。 ・2004年、モーニング娘を卒業。 ・2006年(18歳)、週刊誌に喫煙を写真で報じられ、謹慎処分。 ・2007年(19歳)、またも週刊誌に喫煙を報じられ、事務所を懲戒解雇処分。 ・約1年間の芸能活動停止後、2008年7月に芸能界復帰。 ・2011年、同棲していた当時44歳の飲食店経営会社社長が暴力団と関係を持ち、恐喝未遂の容疑で逮捕。 ・心身不安定に陥り精神安定剤を大量摂取。救急搬送されるも命に別状なし。 ・同年、その男性と約20歳の年の差婚。 ・2014年、自身でプロデュースした3人組ユニット「Girls Beat!!」を結成。 ・2015年、夫から暴行を受けるなどした経緯もあり離婚。 ・2016年、「Girls Beat!!」を卒業。 ・2016年、美容関係の会社経営者と再婚。 ・2019年、ハロプロのコンサートにて13年ぶりに辻希美と共演。 喫煙スキャンダル、ヤクザ、メンタル不調、アイドル復帰、DV、アイドル挫折、アイドル復帰。なんというか、もうお腹いっぱい。 アイドルの光も闇も全て集めたような人生を、当時ミニハムずファンだった少女たちはどのような心境で見つめていたのか。僕は、ヤニふかすアイドルハムスター、嫌いじゃないです。 ミカ(メリカちゃん) ・本名はミカ・タレッサ・トッド。オーストラリア人と日本人のハーフ。 ・現在37歳、女性歌手として音楽家の父親と共に海外で活動中。 ・ハワイ在住、夫はアメリカの映画俳優。子どもの有無などは不明。 ・2004年にロサンゼルス留学のためミニモニを卒業。 当時からアメリカンなファッションスタイルでミニモニの中でも一味違う存在感を放っていた彼女だが、ハロプロ卒業後は海外へ渡って活動しているため、非常に情報が少ない。 一番最新の情報が、2017年にツイッターで流れた「ブラジリアン柔術をやっている」だけって、もう消息不明の一歩手前じゃないか。まぁ、息災であるなら良いのだけれど。あとブラジリアン柔術ってなんなんだ。 高橋愛(たかはし) ・35歳。現役歌手・女優として活動中。夫はお笑いタレントのあべこうじ。 ・2003年、矢口真里と交代でミニモニ加入。 ・2011年、ハロプロを卒業。 ・2014年、あべこうじと結婚。 モーニング娘ではリーダーも務めたこともあり、名前を知らない人は少ないだろう。ただ、矢口真里と交代でのミニモニ加入だったためミニハムずとしての活動期間が短く、「たかはし」自体の知名度は低いかもしれない。 現在も歌手や女優として、様々な方面でマルチな活躍をしている模様。 * * * * * 以上、ミニハムずの現在を振り返ってみたが、いかがだっただろうか。 どのメンバーも色々あったが今も活躍中のようで、ハム太郎ファンとしても嬉しい限りである。今後も応援していきたい。 後はモーハムずたちの現在も気になるところだが、それは各自で調べて頂きたい。 |
2021/11/6(土) #1122 サイト移転のお知らせ |
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いつも「ねずみ人生」をご覧頂き、誠にありがとうございます。 この度、当サイトが利用しているホームページスペースのサービスが終了となることを受けて、移転する運びとなりました。移転先は以下のURLです。 http://nezumizinsei.starfree.jp/ ブックマークをしている方は変更をお願いします。(今時ブックマークから来る人なんているのか?) 引き続き変わらぬお付き合いの程、よろしくお願いします。 |
2021/11/6(土) #1123 最果ての島にて思う |
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そういうわけで、サイトを移転した。 移転するのは3度目か4度目だと思うが、以前より手間は減った。かつて「相互リンク」で多くのサイトと繋がっていた頃は、移転後に相互さん(死語)のサイトへ挨拶周りするのが礼儀だったからだ。 それは面倒でもあったが、一方で話題作りが苦手な自分などは、移転の連絡と言って相互さんのBBSに書き込む良いきっかけにもなっていた。なかなか自分から絡みに行けない中、ある意味で交流の口実でもあったわけだ。 現在ウチの相互さんもわずかとなり、まるで孤島へ繋がる秘密の連絡船のようだが、さすがにもう移転のご挨拶……という時代でもないので、引き続き孤島の原住民族として息を潜めていようと思う。 引き続き当サイトをよろしくお願いします。相互リンク募集中です。(爆) |
2021/12/25(土) #1124 M-1グランプリ2021感想 |
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今年もM-1の季節が来て、瞬く間に過ぎ去った。
私は毎年、どんな決勝のメンツであろうとも「今年は盛り上がらないんじゃないか」「ハズレ回と言われる大会になるのでは」と心配しながら本番を迎える。しかし、その度にM-1はそんな不安を吹き飛ばし、エキサイティングでドラマティックな大会に仕上げてくれる。本当にとんでもないコンテンツだと改めて思う。
今年も大会を振り返っての感想を述べようと思う。
ちなみに私事であるが、今年初めてM-1グランプリの翌日に有給休暇を取れた。これでゆっくりM-1を振り返られるぞ、と思っていたが、結局終わった反動で放心状態が続き何もできなかった。
何もしてない奴も燃え尽き症候群になるんだと初めて知った。
漫才論争の果てに辿り着いた答え
昨年マヂカルラブリーが優勝して巻き起こった漫才論争。果てしてあれは漫才なのか、漫才とは何なのか。そして今年、決勝の10組が10通りの漫才をステージへ持参し、回答を披露した。もはや疑問を唱える者は誰もいないだろう。答えは外野には無い。サンパチマイクの前にのみ存在するのだ。 M-1開始20年の節目に、錦鯉の優勝で幕を閉じたM-1グランプリ2021。他事務所の台頭とか第7世代の終焉だとかつまらない分析は世のメディアに任せるとして、1ファンの観点から今年のM-1を考察したい。 1stラウンド結果 赤字はその審査員の最高評点、青字は最低評点。 各コンビの感想(1stラウンド前半) 1. モグライダー (637点・8位) 「さそり座の女になる可能性を全部消したい」(?)ネタ。 3連単を予想する時に最後の最後までボーダーラインで迷ったコンビでした。M-1で強い、初見かつ独自のシステムを持ち、ハマれば「2本目も見たい」と思わせることができる強い漫才フォーム。着眼点も展開もセリフ回しも、完成度の高い素晴らしい出来でした。ともしげのキャラもよくハマっていて、振り返れば素晴らしきバカが制した今大会は素晴らしきバカに始まってたんですね。 トップバッターで悔やまれるのは間違いないですが、良い出番順で順当に5位あたりで終わるよりも、トップでインパクト与えて「果たしてトップじゃなければどうなってたのだろう?」と想像させる余地を残した方が、もしかしたら得じゃないかとも思ったりします。 M-1第2期のトップバッターはメイプル超合金、アキナ、ゆにばーす、見取り図などM-1常連や出世頭ばかりなので、これを機に大きくステップアップして欲しいと思います。真空ジェシカやももたちと同世代のライバルとして(年齢はそこまで若くないが)、若手漫才界を盛り上げていってほしい! 「歌い出したら騒ぐなバカタレ! もう美川さんが歌入ったらこれはおだまり案件になるんだよ!」 2. ランジャタイ (628点・10位) 「猫に体内から操られる」ネタ。とでも言えばいいのか。 緊張感の張りつめるこの大舞台に放り込まれたトンデモ爆弾。異色中の異色のコンビをよくぞ決勝に持ってきてくれた、今年の運営のファインプレーはここ。ネタでも場外でもハチャメチャにかき回してくれましたね。芸人とお笑いファンが真剣に向き合うM-1の大舞台でなんてことをしてくれるんだ! ちきしょう! と、愉快やら痛快やら。そして志らく師匠を幻惑させて96点をつけさせたのは見事というほかない。でも破天荒だけじゃない、ネタもしっかりM-1にアジャストしていたことに感服。最下位だけど大成功だったのは誰の目にも明らかですね。 惜しむらくは巨人師匠に真面目なキャラをバラされて一本取られたぐらいですかね。 2018年のトムブラウンや2019年のすゑひろがりずなど、こういう出場して得しかない爆弾枠を今後「ランジャタイ枠」とでも呼んだらどうだろうか。厳しいだけじゃない、M-1には懐の深さもある。そういう人選を今後も期待したいですね。 来年ラストイヤーだけどそんな括りはもはや彼らには関係ないか。フィナーレが予測不能すぎて楽しみです。 「ズルーン! しっぽ出てきた」 「にゃんちゃん! 出ておいで! にゃんちゃん! 出ておいで!」 3. ゆにばーす (638点・7位) 「男女間の友情のありなしディベート」ネタ。 観客の手拍子からの「悩みあんだよね」、「人間の下半期の物欲なめんなよ」、「私絶対あり過激派!」など盤石なツカミから、川瀬名人が自らゲスなセリフを言わされて「こんな勝ち方いやじゃー!」と自爆するまでの流れ、展開も演出も素晴らしい。M-1出場資格のある男女コンビでは最強でしょう。 だけど、本人らも理由が分からないと言っていましたが…点数は大きくは跳ねず。 なんだろう、私が率直に思ったのは「なんか難しい」。男女コンビで男女をテーマとしたディベート、漫才としては対立構造でしゃべくりにもなっている。コンスタントに笑いも取れてるし、後半にかけて失速してるわけでも無い。ただ、はらちゃんのキャラクターが狡猾で、川瀬名人の怒りも大きくて、漫才というより演劇を見ているような。巨人師匠も言ってましたが、「気合が入り過ぎていた」結果、ネタを叩きあげすぎた結果、何か原点を置き去りにしてネタがガチッと難しくなっている感じがありました。私が思うベストな漫才って、等身大の2人がマイクを挟んでしゃべり合っているように“あたかも見せる”こと。今のゆにばーすは演劇なんですよね。よくできた台本を2人が演じている感がある。2019年まで出場していた和牛と同じで、面白いけど、ストーリーが完璧すぎる。それも、2人が強すぎるが故の結果ではなかろうかと。 ゆにばーすの私の印象は、2017年にM-1決勝に初登場した際、はらちゃんがシャワーシーンっぽく「翼の折れたエンジェル」を熱唱する姿、あれなんですよ。はらちゃんの自由な野性味あるボケに、川瀬名人がキレ味鋭くツッコむ。それがベストな姿なんじゃないかなあ。ディベートが強いインテリジェンスな女性は冒頭で「イェエエーーイ!!」って言わないと思うんですよね…笑 来年以降また一層苦難の道が待ち受けているでしょう。でも、M-1出場7回中3回ファイナリストですから、とんでもなく強いコンビです。伝説作るぐらいまた強くなって帰ってきて欲しいですね。 「しょせん男女は遺伝子を残す関係性でしかない、でしたっけ?」 「はめられましたわー!!」 4. ハライチ(敗者復活) (636点・9位) 「やりたいことを頭ごなしに否定する奴」ネタ。 前日まで敗者復活の可能性は低いと考えてましたが、当日の敗者復活戦で見取り図やニューヨーク、アルコ&ピースやアインシュタインが今一つ抜け出せず、急速浮上。敗者復活のネタはハライチらしいネタで面白かったので、これならばと納得して私も投票しました。時間オーバーしてたのにネタを続けたのが賛否呼んでますが、時間オーバーの効果音すら笑いに変えてたので、なんでも一番最初にやった奴は偉いんだと甘い解釈をしています。爆音バイクが通ったり不運もあったからね…。 敗者復活戦から一転、決勝ではまさかの岩井が暴れまわるネタ。驚きましたがこれはこれで面白かった。ハライチは澤部が強いネタは多いけど、岩井が強いネタは珍しい。 岩井はかつてM-1に対して「王道の漫才ばかり評価して魅力が薄れた」と言っており、出場を見送った年もあるなど、M-1グランプリに夢や憧れを持つ一方で複雑な思いも抱いていたのでしょう。それでも岩井は「M-1は何かのメリットのために出るわけじゃない。なぜM-1に出るの?と聞かれたら、M-1で優勝するため」だと語り、高校の卒業文集に綴ったほどの夢をラストイヤーでもう一度追いかけた。だからこそ敗者復活で細い細い糸を手繰り寄せて、最後の最後に決勝に帰ってきた心中は察するに余りある。それが本人も言っていた「新しいネタを披露したかった」という舞台に繋がったのだと想像します。これもM-1戦士の1つの姿でしょう。(このあたりの思いはラジオ「ハライチのターン!」で存分に語られています。必聴!) 2010年までの第1期M-1グランプリ決勝の舞台を知っているのは、もう彼らだけ。M-1の歴史と共に成長して卒業する2人から、M-1への感謝の言葉が聞けたのは本当に胸が熱くなる。復活からのラストランありがとう。15年間ありがとう。ずっと大好きな良いコンビです。 「楽しい15年間でしたよ! ありがとうございました」 「M-1ありがとう。楽しかった」 5. 真空ジェシカ (638点・6位) 「1日市長」ネタ。 「5秒秘書が罪人(つみんちゅ)の説明してたら帰る」「お詫びして定時制入る」「ミッキーは一人じゃないですか」「おばあちゃんがハンドサインでヘルプミー」など、幅広くメリハリのあるネタが並ぶ構成で、どんどん引き込まれていく。審査員評の通り、繰り出すネタがことごとく当たっていく、驚異的なアベレージの素晴らしいセンス。今までどこに隠れていたのか。 彼らが見せたネタは誰が演じても笑いが取れる、理想的なネタ。本当に初ファイナリストなのかと思えるほど安定感と発想力がありました。江夏と川尻のジャイロボールの下りのような(個人的には最高なんですが)狭すぎるし絶対いらないと思う箇所すら、計算されているのでは思わされるほどでした。。。笑 ただ、あくまで欲を言えばというレベルで、大きなストーリーが無かった点と笑いが散発的だった点が審査員の評価が伸びなかった要因かもしれませんね。来年以降、彼らしか演じることのできない構成で今年以上に強いネタ作りができれば、頂点も見えてくる存在だと思います。 「二進法の2は、片手でこう表せますよ」 「理系のおばあちゃん初めて見た。おばあちゃんは全員文系だと思ってた」 各コンビの感想(1stラウンド後半) 6. オズワルド (665点・1位) 「友達が欲しい」ネタ。 待ってましたと言わんばかり、良い出番順で登場! もう、はい、なんかすみません。私みたいなもんがエラそうな解説する余地は何もない。完璧な漫才とはこのこと。パネルめくるたび、94点、95点、96点……合計665点。ダントツ1位。すごい! すごい…! リザルトを涙流して拝みました。M-1史上でいくつかある、何年も語り草になる伝説のネタとなっていい。 漫才の本家は上方漫才であり、かつて西の専売特許だった。M-1においても漫才は完全なる西高東低だった。しかし今年は最終決戦に東の組だけが残り、チャンピオンも2年続けて東から。これはM-1の歴史で初めてのこと。もしこれから東が牽引する漫才の時代が来たら、風向きを変えてその先頭にいるのは間違いなくオズワルドだ。時代の先駆者と印象付けるに十分な漫才でした。 完璧だ。これはいける。優勝する、と思った。今年のM-1は荒れない、順当な年だと思った。 しかし……。M-1グランプリは簡単ではないのです。 「君の友達全員一斉にグランドに解き放って、その5秒後に俺が追いかけるから、最初に捕まったやつが友達な」 「もう人間の話じゃねーよ! 俺村人が頭抱える妖怪としゃべってんのか?」 7. ロングコートダディ (649点・4位) 「ワニに生まれ変わりたい」ネタ。 「肉うどーん!?」「ラコステ……ワニ! あっ違うわ!」「2文字ターイム!!」など、分かりやすい笑いどころが随所にあり、また世界観も分かりやすくてバカバカしさもある。上手いし面白い。巨人師匠と松本にマイクからの距離を指摘されるなど、コント師ゆえのわずかなスキが出たのは反省材料でしょうけど、大健闘でしょう。上が強すぎて最終決戦に残れなかったのが悔やまれる! 「悪くない結果」に終わってしまったので、インパクトが中途半端に終わったのではと少し心配しています。「ロングコートダディ」ではなく「肉うどんの人ら」で覚えられてはいないだろうか…。 雰囲気はゆるいけど、せり上がり後の飛び出しの直前にお互いが背中をポンと手を当ててアツい姿が見えました。こういうのがいいんだよなあ。 打ち上げ配信で本人らが言っていたのですが、兎が言っていた「ワニになりたい」って、マジらしいですね。強くてカッコイイから、と。生まれ変わりが肉うどんと告げられた時と、肉うどんとしてすすられる時の表情、審査員からも好評でしたが、それ単体ですごく面白い。兎、いいキャラですね。 「あなたは、肉うどんですね。大阪の難波で230円のやつです」 「めちゃくちゃ安いやつじゃないですか! ちょっと探さな肉見つからんやつでしょ!」 8. 錦鯉 (655点・2位) 「合コン」ネタ。 昨年4位に終わったもののブレイク確実と見込まれ、錦鯉惜しかったけど良かったねー……で終わりかと思ったら、もっととんでもないストーリーが待っていた。 50歳が合コンに参加するという反則みたいなネタで、徐々につかんで最後にドドンと持ってくる理想的な展開。自分たちの強みを理解して1年で修正してきた経験値はさすがでした。(ただ、記憶が曖昧だけど、このネタは今年下ろしたんじゃなくて元々あった気がします) 飛び出しでまさのりが先に出て、三歩後からついてくる隆が、昭和の良き妻って感じで趣のある姿でした。そういうあたりも自分たちの特徴を心得てるんでしょうね。 あと、打ち上げ配信でかまいたち濱家も言っていたのですが、冒頭の「穴でも掘ってろテメーは」「穴は掘らないよ!」というくだり、意味ありげに出した割に回収も何もなくて、後から見返すたびなんか笑える。 「俺ね、今度後輩と合コンに行くんだよね!」 「おじさんが合コンとか言うなよ。寄合って言えよ」 9. インディアンス (655点・3位) 「心霊系の怖い動画」ネタ。 3年連続決勝の舞台、M-1戦士の中では総合パラメータが最も優れたコンビではないでしょうか。昨年はトップで今年は9番目とえみくじにやや翻弄されてますが、このパワーとスピードならもはや順番などあまり関係ない。楽しそうだった去年よりもさらに楽しんで漫才をやっているように見えました。 本筋から徹底的に外してくるところがインディアンスの魅力ですが、それを引き出しているきむの存在が際立ちます。田渕をほどよく泳がせては止めて、放しては引き寄せる。猛獣をしっかりムチで飼い慣らしてショーたらしめる技量がすごい。審査員も唸らざるを得ないところでしょう。最終決戦進出も納得。 「お前たちは誰だ……」 「うわぁーーどーもーーインディアンスでーす!!」 10. もも (645点・5位) 「欲しいもの」ネタ。 予選の段階からM-1予想屋界隈をざわつかせていたコンビ。金髪ヒゲと黒髪メガネがひたすらに相手を○○顔という偏見で攻め立てる漫才。これもモグライダーと同じで独自のフォームを持ったシステム漫才かつしゃべくりベースなので、そこだけ見ればミルクボーイを思い浮かべた人も多かったはず。でも実際はボケとツッコミの役割が交互に展開するし、コントにも入ってないので笑い飯とも異なる、これはオリジナルのシステムだと思ってます。 ノーミスで期待通りの力を発揮してくれて、審査員評もおおむね高評価。でも、今回はちょっと敵たちが強すぎましたね。平均92点でも勝ち残れないってのはかなり厳しい。 でも、ネタ終わりの平場や大会後の振り返り配信などでも自分たちはもとより周囲が「○○顔」ネタをアレンジしてめっちゃ使ってましたし、人気者になりそうな予感がします。これで4年目とは期待しかない! 「俺、ゲーセンにあるパンチングマシーンとか欲しいねん」 「なんでやお前ダンスダンスレボリューション顔やろ!」 最終決戦 1. インディアンス (1票・3位) 「今よりも売れたい」ネタ。 いつにもまして楽しそうな田渕に翻弄されながらもビシバシツッコむきむ、アドリブも交えながらフルスピードで駆け抜ける。これもうランナーズハイ入ってるなと思わせるほどにパワー&スピード漫才。この技術は他の追随を許さない。決戦後の配信では田渕が「相方と目線が合ってる時はいい漫才ができている」と述べていた通り、2人の呼吸がぴたりとハマっていた。いやいやこれ優勝ありうるぞ、と思わせる勢いでした。 結果は3位でしたが、大会終了後にTwitterを更新した田渕が「2021年のM-1グランプリが終了しました もうなんでしょうね! 良過ぎ! M-1良過ぎ! 最終決戦初めて行けたし。また優勝したくなった! 皆さん、ほんまにありがとうございました! 僕は幸せです」と。こんないい奴、嫌いになれるわけない。ひまわり印のお日様男、大輪の花までもうすぐだ。来年も楽しみにしてる! 「来週もまた見てくださいね! イチニョッキ!」 「じゃんけんせぇや!」 2. 錦鯉 (5票・優勝) 「街中に逃げたサルを捕まえたい」ネタ。 もうなんか理屈抜きで笑ってしまう、一緒にバカになっちゃう魔法をかけられてるようなネタでした。 1本目で隆が頭はたいてツッコんでた時のまさのりは目つぶってなかったんですが、2本目は頭はたかれて目つぶってたので、隆もヒートアップして力が入ってたんでしょうね。 インディアンス田渕が決戦後の配信でこう述べていました。「僕もおっさんみたいなボケ好きですけど、相手が50歳ですから叶わない」。そう、若手の登竜門だったはずのM-1グランプリに、50歳のおっさんがいる。もうそれだけで面白いじゃないか。存在が面白いんだから、そりゃ優勝だ。でも彼らのはなりきりのキャラ漫才じゃない。そのまま等身大なんだ。このネタも本人たちに圧倒的な説得力があってこそ成立する。そこが勝負を分けたのでしょう。その存在、技量、貫禄はまさにチャンピオンにふさわしい。来年どちらかが審査員席にいても違和感ないぞ!笑 優勝の瞬間におじさん2人が抱き合って、まさのりが号泣する姿見て、めちゃくちゃもらい泣きしてしまった。笑かせて笑かせて、最後に泣かせてくるなんて、反動でかいわ。悪いおじさんたちだなホントに……! 錦鯉、おめでとう! 「ライフ イズ ビューティフル!」 「うるせーよ」 3. オズワルド (1票・2位) 「知らないおじさんに割り込みされた」ネタ。 多くの視聴者が優勝を思い描いたこの舞台、しかし盤石の1本目から暗転。見てる側の「早く、早く」という笑い欲しさになかなか追いついてこず、波に乗りきれない。悪くはないんだけど……と、終盤までどこか噛み合わないままフィニッシュ。いや一気に分からなくなったぞ、と。結果、僅差との審査員評ながら、票数では完敗でした。 確か伊藤本人からだったかと思うんですが、納得感のある分析として、「直前の錦鯉のパワーが凄すぎて誰も自分たちのことを憶えてなかった。CMが入り場がリセットされたことも逆風だった」。1本目の貯金とも言うべき熱量が持続しなかったことが僅差の勝負を分けた、という見方。元々オズワルドは4分ではなく10分ぐらいで見たいタイプのコンビなので、立ち上がりが緩やかなんですよね。そのスタイルも不利に働いたと思います。 個人的にはシンプルにネタ選びが最適でなかった印象もありました。このネタのピークは畠中が二重人格のように分裂して、さらに終盤、理想の伊藤という架空の人格と会話するシーン。コント漫才ではよく見かける、一人で二役以上を演じる手法。今回なら真空ジェシカやロングコートダディが用いてましたが、これってしゃべくり漫才とは相性が悪いんですよね。漫才はやっぱり2人が原則。1本目はマイクを挟んで1対1だった。でも2本目は1対多になって、しゃべくりの対立構造が散漫になりゴチャッとした。そのあたりも歯車がかみ合わなかった要因ではないでしょうか。 でもこれ、ABCお笑いグランプリ取ったネタなんですよね。分からんもんです。 後は、これも放送後に伊藤が言ってましたが「優勝が遠のいていく焦りで、初めてぐらいセリフをミスった」という目に見える減点要素も。決して失速と言わないまでも、わずかな勝負のあや。2本強いネタを用意することの難しさをあらためて感じました。オズワルド、最終決戦でもおくりびとになるのか…。 「じゃ今度そのおじさんに出会ったらトマトでもぶつけるわ」 「まぁ拳よりいいか、栄養あるし」 総括 M-1ブランドの凄み M-1は第2期になってから、ファイナリストの人選が何か信念を持って行われているように思えます。表現が難しいですけど、世間におもねることなく1年か2年先を見据えているかのような。お笑いはこういう時代だよ、未来はこうなっていくよとメッセージを投げかけている。時代に合わせて形を変えて進化している。そして芸人がそれに応えて、毎年1つの回答が完成する。その先進性がブランド力を一層強めているのではないかと。 M-1をごり押しだの出来レースだのと言う奴のほうがもはや恥ずかしいぐらいに、価値の高い存在になったと感じます。 M-1の第2期が2015年に開始されて、今年で7回の大会を重ねました。第1期で言えばサンドウィッチマンが優勝した頃。あの時はその後1年2年と経つ中で、徐々にM-1はその存在意義を問われるようになり、2010年、10回目で休止となりました。果たして第2期はこれからどのようになっていくのでしょうか。錦鯉の優勝は、未来のM-1へどう繋がっていくのか。その答えはサンパチマイクの前にあるのだ――と、また謎の結論で締めておきます。 採点してみた 毎年恒例、インターネットによくいるイタい人っぽく自分で採点してみたのコーナー! 例年だと志らく師匠と採点傾向が似るんですが、志らく師匠がランジャタイに幻惑されて採点バグった?ので、今年はあまり似た傾向の審査員はいませんでした。 今年も一年 お付き合い頂き、ありがとうございました。 来年もねずみ人生をよろしくお願いいたします。 それでは良いお年を。(年内更新放棄宣言) |